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海の森づくり Q&A
Q 海の森づくり推進協議会って何?
A 「海の森づくり推進協議会(以下本協議会という)は、平成14年7月7日に創設され、同年12月4日に内閣府の認証を受けた特定非営利活動法人(NPO)で、その目的は、「生態系を重視したコンブ等海藻による海の森づくり技術の普及により、懸念されている磯やけの弊害を防ぎ、沿岸域の水質浄化と水産資源増殖を図るとともに、そこから得られる海藻等の利活用の研究及び普及によって陸園の生態系とその循環を重視した環境改善による社会貢献を推進すること」である。会員は、北は北海道から南は沖縄まで全国に散在し、本協会は希望者にコンブの種糸を斡旋しており、講師を派遣し、指導もしている。すでに、鹿児島、熊本、長崎、愛媛、福井、富山、三重、千葉各県内の関心のある漁協協同組合あるいは、個人が、そのサービスを受けている。東京では、毎年1回海の森づくりシンポジウムを開催し、農林水産環境展に出展している。
海の森推進協会ホームページ http://www.kaichurinn.com/index.html
Q 外来種である北の海のマコンブを南の海にいれて「海藻キラー」と成り得る可能性が否定できないのでは?
A 本件に関しては、70年以上の中国の経験、40年にわたる長崎県島原市の経験からみても、そのような兆候はない。もしそのようなことがあってもそのリスクは非常に低く、コントロールできると考えられる。
次に、北のマコンブをこれまで天然では生息しなかった南に導入するという意味では、コンブは南の環境にとっては外来種である。しかし、「外来種の導入が全て悪である」というのは極論である。もし、外来種の導入が全て禁止されれば、今の農業はそのベースを失い、私達は、生きたくても食べ物が手に入らなくなる。つまり、「外来種の導入には、十分に注意をしなければならない」というだけのことである。ここでは外来種を導入して放置するのではなく、毎年、種を沖出しし、管理し、半年で収穫するので、優先種となって、対象海域の在来の生態系をくずさない。外来生物問題に関しては、早期発見・早期対策が出来、被害を最小化できる体制にある。南の海のこんぶ栽培は、過去の行き過ぎた開発で瀕死の状態にある在来種に基盤と栄養・揺籃場を提供し、在来種を増やし、沿岸域の生物多様性に貢献し、生態系をいい方向に変えるものである。
Q コンブの海藻藻場造成は地球温暖化に貢献するか?
A コンブ500〜700万トンは乾重量では50〜70万トンであり、その2分の1が炭素固定量とすると、年間25〜35万トンの炭素が固定されることになる。
Q コンブ等海藻類の人工藻場造成はコンクリートやプラスチック製の漁礁とどう違う?
A コンクリートやプラスチック製の漁礁は、多年生の在来種を対象とし、海藻が付着しやすい素材を組み込み改善が加えられているが、初年度の成績がよかったからといって、以後永遠に効果があるとは言えない。当分は試行錯誤が続く。問題はこれまでの公共事業のように、投入が終わってからの毎年の管理である。その点、コンブ等海藻類の人工藻場造成は当初から、毎年の管理を組み込んでおり、自立発展性に富んでいる。また、コンクリートあるいはプラスチック製漁礁には無い環境浄化機能を持っている。
Q なぜコンブか?
A 私達はコンブだけに携わっているわけではない。地元の人たちにとって、興味ある海藻、海草、珊瑚、マングローブ、人工漁礁等 コンブの森と似たような機能を持つものであればその種類を問わない。しかし、コンブは私たちの運動のシンボル的存在である。つまり、大型海藻としてのコンブは、日本人には食用としてなじみが深いばかりでなく、養殖技術が確立しており、、コントロールし易く、栽培・収穫等が比較的簡単で、その利活用の可能性も他の海藻・海草と比べ物にならないほど広く、経済性も高い。
また、多くの海藻は、大量に生産することが出来ないか、出来てもその生産物の利活用が難しい。その点、日本人に昔からなじまれてきた「こんぶ」はずば抜けている。栽培技術は確立しており、大量生産も可能であり、収穫物の利活用面では、食品としてだけでなく、医薬品、飼料、肥料、工業用、バイオマスエネルギィー、エステ原料など利用価値は極めて高い。 ただ、大量の海藻が安価で輸入できる時代にあって、運動の持続性につながる経済性をもたせることは重要な課題である。コンブの成長は熱帯雨林に匹敵するほど早い。「海の森づくり」は生物多様性の回復や国策としての栽培漁業や藻場造成の補完など環境保全として水産増殖に対する公共的な役割が大きいが、公共事業費を節約して、その効果を十二分に発揮させるには、自助努力を生かす工夫が必要である。「こんぶ」はその最有力候補である。
Q 海の森づくりと食育の関係は?
A 海の森づくり運動のアキレス腱は、漁民の生産意欲の問題であり、出来た生産物の市場性の問題でもある。海の森第二回こんぶサミットで環境と食育をテーマとした理由は、これまでの漁民中心のアプローチにも限界があり、その問題解決の手法として、東京での開催を契機に環境と食育の関心の高い都市の皆さんに「海の森づくり運動」の現状と食育における海藻を中心とした水産物の役割を理解していただき、お知恵を借りたいからである。
Q 北海道のコンブ業界と競合しないか?
A 海の森づくり運動では、有効な海藻・海草類全てを対象とし、利活用を含めた総合的対応に拘わっており、北海道のコンブ業界との共生・協力関係である。したがって、北海道のコンブ業界がブランド化を進める中で、伝統的なコンブ市場以外の新しい市場開発が我々の課題となっている。第3回のコンブサミットでは、農林水産と都市を結ぶ循環型社会づくりに向け、北海道のコンブ業界と協力して、北海道の地で開催したい。
Q 種糸はどこから持ってくるの?
A 現在、「海の森推進協会」 では、コンブの種糸を、希望する漁業協同組合や個人に斡旋している。現在、種糸の生産は北海道、青森県、岩手県が中心であるが、私達は、青森市水産指導センター、青森県栽培漁業振興協会、岩手県重茂漁業協同組合から取り寄せている。元々これらの種糸は、食用コンブの養殖が目的であったが、私達は、同じ種を北海道の伝統的なコンブ市場と競合しない利活用、どちらかといえば「海の森づくり」のため、あるいは付加価値の高いアワビの餌用として間引きしない状態で利用したり、その他の利活用を考えている。
富山県水産試験場のように、新にこんぶの種苗生産に取り組むところも出てきた。また、鳴門の細川水産のように、無機質培養をベースとしたコンブ種苗生産に挑戦しているところもある。
Q なぜロープなの?
A 「海の森づくり推進協議会」が推奨する施設は、はえ縄(ロープ)式大型人工海中林造成施設である。防腐剤を使わないロープでは、コンブ等海藻の付着基盤として優れている。さらに、ロープ式は、元々、7つの海で使われてきたはえ縄漁業や北海道のホタテ漁業ではすでに、40年以上も利用されてきた施設であり、海域条件に応じて数メートルの試験規模から数キロ・十数キロの規模まで対応できる。柔構造なのではえ縄式・暖簾式など小回りが利き、水深約70mまでの広大な水面を低コストで立体的に利用できる特徴がある。浮きはえ縄式ののり網がのりの大量生産に貢献したように、海藻の大量生産には、ロープ式が現時点では考えられる最も経済的な施設である。ウィンチと花車を常備した小型漁船と組み合わせれば、効率的な作業ができる。同じ施設を使って、アワビの籠養殖も効率よくできる。
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